ここ何年かの間で、生活様式や働き方といった環境面で劇的な変化がありました。日々のあらゆる場面で変化を感じている方も多いのではないでしょうか。たとえ良い変化であったとしても、変化というのはストレスを感じやすい状況を作ります。変化に伴う不安が続いている方、ストレスを抱えて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
環境の変化はストレスを高める
例えば4月は、環境の変化が大きな時期です。環境に適応するためにいつも以上にエネルギーが必要となります。特に次のような方は、心身にも様々な影響が出やすいため、少し注意が必要です。
- 新社会人となられる方
- 異動に伴い職場の環境が変わる方
- 新たに管理職となられる方
4月に限らず生活や仕事での変化が多い時期は、無意識のうちに“ストレスが高まりやすい時期”と捉えましょう。
意外と多い「環境の変化」によるご相談
4月から6月頃は、新社会人の方や新任管理職の方、異動したばかりの方からのご相談が多く寄せられます。この時期に多いご相談として、次のようなことが挙げられます。
- 新しい環境に馴染めない
- 不安や緊張が続いてしんどい
- 周囲とのコミュニケーションが上手く図れず気持ちを抱え込んでしまう
- 上司や周囲に遠慮してしまい業務の相談が出来ない
- プレッシャーを感じる
- 自信が持てない
環境の変化の例「テレワーク」
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴って多くの会社がテレワークを導入しました。テレワークが起因するストレスについてのご相談も増えました。例えば次のようなことです。
- 状況が見えないためコミュニケーションが図りづらい
- オンオフの切り替えが上手く出来ない
- 孤独を感じてしまう
- イライラしやすくなった
このことから、テレワークによる生活や仕事環境の変化がこころに影響を与えていると考えられます。
心の健康は「相談すること」がカギとなる
実際にカウンセリングをおこなっていて感じることは、「相談できる人(場所)がいる(ある)、いない(ない)」では、その方のこころの健康度に大きな違いがあるということです。
人が抱えていられる感情(気持ち)には、ある程度の限界があります。それを超えない範囲で気持ちを吐き出すことや整理すること、そして気持ちを切り替えていくこと、要するに感情(気持ち)のコントロールをしていくことが、自身の健康を維持していくためには大切なのです。
身近な人に相談できるとは限らない
家族や友人や同僚がいれば相談できるでしょうか。関係性によっては相談しづらいこともありますよね。
- 立場的に話せない
- 相談することで相手も巻き込んでしまうことが不安
- 弱音を吐くことが気恥ずかしい
- そもそも自分の内面のことまで話せる人がいない
- 身近な人にこそ話したくない
このようなことが根底にあると、相談できないまま一人で気持ちを抱え込んでしまい、しんどさを増してしまう方もいらっしゃいます。
第三者の相談機関に相談するメリット
身近な人に相談できない、相談したくない場合には、第三者としての相談機関(登録相談機関(外部リンク)やカウンセリングルーム)を利用してみることをおすすめします。身近な人よりも、専門家(カウンセラー)に相談したほうが、抱えている問題と純粋に向き合っていけるようになると言われています。その理由は次のとおりです。
- 利害関係がないこと
- 客観的な視点や専門家としての視点でアドバイスをしてもらえること
- 枠組み(日常生活から離れた場所、時間、関係性など)があること
セルフケアとしてカウンセラーに相談する
カウンセラーは、相談者の気持ちや状況を聴き、その上で不安や緊張の緩和や気持ちを切り替える方法、コミュニケーションの図り方や相談の仕方などのアドバイスを行ないます。
相談者がカウンセラーに話しながら気持ちを整理したり、カウンセラーに気持ちを吐き出したりするだけでも、ストレス(負担)が軽減することがあります。一人で抱え込まず、カウンセラーを含む周囲のサポートを活用することは、大切なセルフケアの一つです。
ご自身の状況に合わせてカウンセリングを上手く活用し、さまざまな環境の変化に適応しながら、健康的に働いていきましょう。