労災認定要件からわかる働く人のストレス要因(1_労災とメンタル労災)

労災とは

業務が理由でケガをしたり病気にかかったりしたとき、労災認定を受けられることがあります。ここでいう病気には精神障害、すなわちメンタル疾患も含まれています。

労災認定は、被災者にとっては救済措置であり、労災補償が受けられたり解雇制限がかけられたりするといったメリットがあります。しかし、法人にとってはデメリットしかありません。例えばこのようなことです。

  • 刑事罰を受ける
  • 行政処分を受ける
  • 賠償請求をされる
  • 顧客が離れていく
  • 労災保険料が上がる
  • ブランドイメージが下がる
  • 入札の指名停止処分を受ける

メンタル労災は増加傾向

精神障害に関する事案の労災補償状況
https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/001113802.pdf
によると、メンタルの労災認定は、年々増加傾向にあります。

2018(平成30)年と2022年(令和4年)を比較すると、請求件数が1.47倍、決定件数は1.36倍、決定件数のうち認定されたものの割合は31.8%から35.8%と4ポイントも上昇しています。また、認定範囲を広げるような改正も続いていることから、今後も労災請求および認定は増えていくと予想されます。

メンタル労災は防げる

メンタル労災は、天災や交通事故と違って、会社の取り組みや従業員の意識によって防げるものです。会社は従業員が心身ともに健康で働けるように十分な対策をとる必要があります。

精神障害の労災認定要件を把握する

精神障害の労災認定
https://www.mhlw.go.jp/content/001004361.pdf
この資料でメンタル労災の認定要件をチェックし、どのようなことがメンタル労災につながるのかを知っておく必要があります。以降の記事でこちらの内容を詳しくみていきます。