労災認定要件からわかる働く人のストレス要因(2_メンタル労災の認定条件)

メンタル労災の認定の条件

心理的負荷による精神障害の認定基準
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001140929.pdf
この資料によると、メンタル労災の認定には三つの条件があります。この条件について解説していきます。

条件1_対象となる精神障害である

労災認定の対象となる精神障害は、国際疾病分類第10回修正版(ICD-10) 「第5章 精神および行動の障害」でF0〜F9に分類されているもののうち、業務が原因となって発病する可能性が高いのはF2〜F4とされています。

ICD-10(国際疾病分類)第5章 精神および行動の障害
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000011ncr-att/2r98520000011nq2.pdf

F2〜F4とは、次の精神障害を指します。

F2 統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害

F20 統合失調症
F21 統合失調症型障害
F22 持続性妄想性障害
F23 急性一過性精神病性障害
F24 感応性妄想性障害
F25 統合失調感情障害
F28 その他の非器質性精神病性障害
F29 詳細不明の非器質性精神病

F3 気分[感情]障害

F30 躁病エピソード
F31 双極性感情障害<躁うつ病>
F32 うつ病エピソード
F33 反復性うつ病性障害
F34 持続性気分[感情]障害
F38 その他の気分[感情]障害
F39 詳細不明の気分[感情]障害

F4 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害

F40 恐怖症性不安障害
F41 その他の不安障害
F42 強迫性障害<強迫神経症>
F43 重度ストレスへの反応及び適応障害
F44 解離性[転換性]障害
F45 身体表現性障害
F48 その他の神経症性障害

以上が対象となる精神障害です。

なお、このICD-10コードはさらに細かく分かれます(例:F20.0 妄想型統合失調症)。本記事では掲載を割愛しますがこちらの「傷病名マスター検索」で病名やICD-10コード(ピリオドなし)で検索できます。
https://shinryohoshu.mhlw.go.jp/shinryohoshu/searchMenu/doSearchInputBp;jsessionid=6EECE22B5EC906CFA48807CAA774C276

条件2_精神障害の発病前、おおむね6ヶ月の間に心理的負荷のある出来事があった

心理的負荷のある出来事は、厚生労働省によって定義されています。このとき、精神障害を発病した本人が、その出来事を主観的にどう受け止めたかは評価には関係ありません。一般的に考えて、その出来事がどう受け止められるかという客観的な観点で評価されます。発病した人と同じような職種であったり、職場における立場や職責が同等であったり、同じような年齢・経験等の人物を想定して、その出来事が評価されます。

条件3_発病の原因が業務である

精神障害の労災認定
https://www.mhlw.go.jp/content/001004361.pdf
2020(令和2)年の資料を参考にします。

精神障害は、さまざまなストレスや個体側要因で発病するとされていますが、「業務によるストレス」が主な要因となって精神障害を発病したと認められると、労災認定に進めます。