労災認定要件からわかる働く人のストレス要因(4_特別な出来事)

心理的負荷による精神障害の認定基準について(2023/09/01)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001140929.pdf
を参考にしています。

業務による心理的負荷評価表(特別な出来事 – 2類型)

下記の出来事に該当すれば、心理的負荷の総合評価は「強」となります。

心理的負荷が極度のもの

  • 生死にかかわる、極度の苦痛を伴う、又は永久労働不能となる後遺障害を残す業務上の病気やケガをした(業務上の傷病による療養中に症状が急変し極度の苦痛を伴った場合を含む)
  • 業務に関連し、他人を死亡させ、又は生死にかかわる重大なケガを負わせた(故意によるものを除く)
  • 強姦や、本人の意思を抑圧して行われたわいせつ行為などのセクシュアルハラスメントを受けた
  • その他、上記に準ずる程度の心理的負荷が極度と認められるもの

極度の長時間労働

  • 発病直前の1か月におおむね160時間を超えるような、又はこれに満たない期間にこれと同程度の(例えば3週間におおむね120時間以上の)時間外労働を行った

特別な出来事の解説

「心理的負荷が極度のもの」とは、生死に関わったり、人間の尊厳を奪われたりするようなことです。セクシュアルハラスメントと聞くと、軽いものをイメージをする人が多いようですが、刑法上の不同意性交等罪、不同意わいせつ罪にあたるものも含まれています。

職場におけるセクシュアルハラスメント
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000378182.pdf
をご確認ください。

「極度の長時間労働」ですが、時間外労働が月160時間を超えなければ、労災にはならないのかというとそうではありません。100時間以上の時間外労働(恒常的長時間労働)がある状況で、「特別な出来事以外」がある場合は、心理的負荷の総合評価は「特別な出来事」があった場合と同等の「強」と判断されます。