労災認定要件からわかる働く人のストレス要因(9_自分のこころを守るために)

60%が再発してしまう「うつ病」

厚生労働省の「こころの耳」によると(ICD-10 F3に分類される)うつ病がいったん改善しても、約60%が再発してしまうそうです。
https://kokoro.mhlw.go.jp/return/return-worker/

ある出来事により精神障害を発病して、労災認定を受けたり、賠償金を受け取れたりしても、失ってしまった健康の埋め合わせにはなりません。再発が続けば、長期に渡って苦しい思いをすることになります。精神障害にかかってしまわないように、自分の心身の健康を守ることが大切です。

精神障害を予防するために

「心理的負荷のある出来事」が身に降りかかることが予想でき、それに不安を感じている場合は早めに上司や周りの方に相談し、できることなら配慮を求めてみてはいかがでしょうか。そのとき「心理的負荷のある出来事」の一覧を使って説明してみてもよいかもしれません。万が一出来事に遭遇してしまった場合は、わずかにでも不調を感じたら早めのケアに進むことが重要です。

国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」によると、(ICD-10 F4に分類される)PTSDは、被害後の社会的サポート(ソーシャルサポート)が足りないと発症しやすいようです。
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=iGkwv4PNzgWhQ9xI

精神的サポートの選択肢を持つということ

ソーシャルサポートの一つとして、カウンセリングを受けるという選択肢を持ってみてもよいのではないでしょうか。カウンセラーは精神疾患の診断はしないため、カウンセリングを受けても病名は付きません。早めにカウンセリングを受けることで、医療機関にかからずに済む場合も多くあります。発症を防ぐという点で、自分が利用しやすい相談機関(カウンセリングルーム)を調べておくと安心できるでしょう。従業員が使えるカウンセリングサービスがある場合は、利用方法を知っておくとよいでしょう。

カウンセラーが「この方は医療機関にかからければならない」と感じたときは、そのように伝えることになっています。カウンセリングを受けたことで、医療機関にかかる機会を失うわけではないので、その点は安心して良いでしょう。

もしも心理的負荷が「強」の出来事に巻き込まれてしまったら

心理的負荷が「強」出来事に遭遇してしまったときはどうしたらよいでしょうか。まず身の安全を確保した上で、信頼できる上司、会社のハラスメント相談窓口、弁護士、警察などへの相談・通報をすることになります。状況によっては一人で動くのは難しい場合があります。そういったときのために、どんな話でもできる人、どこにでも付き添ってくれる人、味方になってくれて頼れる人、安心できる居場所を確保しておきましょう。日頃から、良い人間関係を築いておくこともまた重要です。何事も備えておくことが自分のこころを守るのです。