新年度は、気持ちを新たに業務に取り組もうと考える社員が多いと言われています。そのため、この時期に自身に目を向けてモチベーションを高めるような研修を実施することで、自身のスキルや課題を見つめる・整理する機会となり、スキルアップや成長への動機づけが期待できます。
また、人事異動や新卒入社などの環境の変化も大きい時期ですので、研修によって新たな視点を取り入れることが、社内の雰囲気の改善や社員の一体感を高めることにも繋がります。
研修講師は誰が担当するか
研修を行うとき、社内の方を講師にする場合と、社外の講師に依頼する場合とありますが、どちらがよいでしょうか。
社外の講師に依頼するとなれば、費用もかかったり、調整に時間がかかってしまったりと、人事担当者にとってはデメリットがあるかもしれません。
しかし、受講者に刺激を与え、意識を変えることができるのは社外講師による研修ではないでしょうか。というのも、私が外部講師として行った研修の受講者のアンケートを読ませていただくと、
- 普段とは異なる視点で自身のメンタルヘルスについて考えることが出来て新鮮だった
- 専門家の視点で健康的に働くことについての話を聞くことが出来て、これまでにない切り口で自身の振り返りをすることが出来た
など、ポジティブな意見が多く寄せられているからです。
社外の人間かつ専門家が話すということで、受講者はより真剣に聞こうとする意識が高まり、業務から少し離れて「自身が健康的に働くこと」について考えることで、気持ちのリフレッシュにも繋がります。
受講者にとっては、社外の講師に依頼するメリットが大いにあるのではないでしょうか。
効果的な研修づくりに必要なポイント
研修は、企業の人材育成の一部であり、企業理念に沿って行なっていくことが大切です。
社外講師に任せっぱなしでは、職場環境や実際の状況とかけ離れたものになることもあり、受講者に響かない研修となってしまいます。せっかく、時間とお金をかけて実施しても、効果の少ない研修になるのはとてももったいないですよね。
研修内容を検討する際には、研修の目的と意図を社外講師に十分に伝え、研修内容に反映させるような打ち合わせが大切です。人事担当者と社外講師とのコミュニケーションが研修成功のカギになる、ということです。
研修を「無駄な時間」にしないために
受講者が「無駄な時間だった」と感じないためにも、研修を作っていくという意識が重要です。
- 階層別社員研修、業務別社員研修など、受講者の状況に合わせた研修を行う
- 座学だけの研修ではなく、個人ワーク、グループワーク、ロールプレイ、ケーススタディなどを取り入れ、受講者が参加する
- 実践に繋がるような研修を組み合わせる
といった工夫が必要です。私の所感としては、座学のみよりも参加者同士が意見交換をできる内容、関わりを持てる内容を多く取り入れた研修のほうが、受講者の満足に繋がっている印象です。
研修前のアンケートやテストも効果的
事前に社内でアンケートを取り、そのときに社員から求められている内容に沿った研修を実施すると良いでしょう。また、e-learningなどで正答率が低かった事柄について、研修に盛り込んで、おさらいをするのも良いでしょう。社員のニーズに合った研修を実施することは、社員満足に繋がっていきます。
研修を今後に活かすために
研修を行った後は、その内容をどのように業務に活かしていくのかを社内で共有したり話し合ったりしましょう。
研修で行ったことを実際の業務の中でどのように組み込んでみるか意見を出し合い、実際に組み込んでみることで、研修で学んだことが業務に取り入れられ、そして会社の知恵になっていきます。良い習慣、良い考え方が定着していくようになります。
せっかく学んだ知識が一度きりで終わってしまい、忘れ去られてしまわないためにも、定期的に研修を実施すること、そして社員が興味を持ち、日常に活かせる研修内容を準備することが大切です。