カスタマーハラスメントの動向

会社内で起こるパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントは、数十年前から問題になっており、時間をかけて法律も整備されてきました。しかし、ここ最近は、顧客からのハラスメント、カスタマーハラスメントがニュースに取り上げられるほど社会問題となっています。

カスハラは増加傾向

令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001256079.pdf

この資料の p.52「図表 38 過去3年間に該当事例があった企業における事例件数の推移(ハラスメントの種類別) 」を見ると、顧客等からの著しい迷惑行為は、「ハラスメントに該当すると判断した事例の件数が増加している」と回答した企業が22.6%で、「減少している」と回答した企業が12.6%となっています。その他のパワハラなどのハラスメントに比べ、カスハラは増加傾向にあると言えるでしょう。

カスハラ対策の法制化の動き

2024年6月現在、カスハラ対策は法制化されていませんが、次のような動きがあり、法制化される可能性があります。

  • 2019(令和元)年6月5日
    労働施策総合推進法等が改正され、職場におけるパワーハラスメント防止のために必要な措置を講じることが事業主の義務となる。
  • 2020(令和2) 年1月
    下記の指針が策定された。
    事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針
    https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf

カスハラ対策を自主的に始めよう

カスハラ対策が法制化されなかったとしても、カスハラは従業員に大きなストレスとなることは明らかです。せっかく育てた従業員のパフォーマンスの低下、優秀な従業員の離職につながることも考えられます。カスハラ対策を自主的に始めてみてはいかがでしょうか。

すでにカスハラ対策を講じている会社も多くあります。

厚労省の「あかるい職場応援団」のカスタマーハラスメント対策企業事例
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/customers-measures/index