では、顧客からの要求は、すべて不当なクレームですべてカスハラである、として拒否して良いものなのでしょうか。
カスハラにならない要求
例えば、顧客に提供した商品に不備があり、顧客からその商品を交換してほしいという要求を受けたとします。
- 普通の口調で静かである
- 口頭での謝罪で納得し、交換以外は要求していない
こういった一般的な、正当な要求はカスハラには該当しません。
すべてをカスハラ扱いすると
顧客から何か要求されたからといって、それをすべてカスハラだとして拒否したり通報してしまうと、それはまた別の問題に発展してしまいます。
商品やサービスを購入した個人や法人は、消費者契約法・製造物責任法・商法(瑕疵担保責任、契約の履行)などの法律によって守られています。そのため、普通の要求に対してそれを拒否してしまうと、消費生活センターや弁護士に相談され、責任を問われる可能性が出てきます。
- 商品・サービスの提供者として、果たさなければいけない要求
- カスタマーハラスメントとして拒否できる要求
これらを区別できるように、会社や部署で具体的にどういった要求をカスハラとして対応するのか、その基準の認識を合わせる必要があるのです。
カスハラは業種・業態・状況・従業員によって違う
会社の業種・業態・状況によって、カスハラの定義は変わってきます。
対面の接客がある会社と、電話のみの会社、全くない会社では起こりうるカスハラは異なってくるはずです。また、深夜営業があるかないかでも想定は異なってくるでしょう。従業員によってもカスハラに対するイメージや理解は異なっているはずです。
そういった点でも、会社としてカスハラ対策を策定・強化し、マニュアル化する必要があります。