カスハラ対策の進め方

カスハラ対策は、従業員個人の強さに任せるものではなく、会社として取り組むべきです。カスハラ対策については、厚労省の「あかるい職場応援団」のサイトのマニュアルが参考になります。

カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/pdf/cusuhara_manual.pdf

要点をまとめました。

カスハラ対策の準備

カスハラ対策の準備として、次のことが挙げられています。

  • 事業主の基本方針・基本姿勢の明確化
  • 基本方針・基本姿勢の従業員への周知・啓発
  • 従業員(被害者)のための相談対応体制の整備 
  • カスハラへの対応体制、対応方法、手順の策定
  • 社内対応ルールの従業員等への教育・研修

カスハラ対応

カスハラが実際に起こった際の対応として、次のことが挙げられています。

  • 事実関係の正確な確認と事案への対応(瑕疵過失の確認と対応)
  • 従業員への配慮の措置(組織的に対応する、メンタル不調対応)
  • 再発防止のための取組(対応の定期的な見直しや改善)
  • ここまでの措置と併せて講ずべき措置(配慮した上での周知)

カスハラ対策と従業員の年齢

カスハラ対策は正社員だけを対象にしたものではなく、すべての従業員のためのものであるため、アルバイトも含みます。ということは、高校一年生(15~16歳)も含んでいるということです。そのため、高校生のアルバイトがいる会社では、高校生にも理解し実行できるような基本方針・基本姿勢を定めるべきです。

カスハラ対策と雇用形態

令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001256079.pdf

このPDF p.282 にあるアンケート「Q41 あなたは過去3年間に勤務する(していた)職場で顧客等からの著しい迷惑行為を受けたことがありますか。」の結果を見ると、「経験した」と回答した人の割合が、管理職以外の正社員が9.6%なのに対し、「パート・アルバイト・契約社員・嘱託社員などの正社員以外」である人でが13.6%と高くなっています。そのため、正社員以外の従業員を想定した対策を講じる必要があると考えます。

カスハラ対策の進め方を相談したい場合

カスハラには暴力といった肉体的な攻撃も含まれますが、その先にあるものは従業員のメンタルヘルスへの影響です。カスハラ対策は従業員のメンタルヘルス対策と言っても過言ではありません。

従業員のメンタルヘルスの専門家が社内にいない場合は、外部EAP機関に相談してみてもよいのではないでしょうか。