身体的負担度とは

ストレスチェックの結果にある「身体的負担度」について掘り下げていきます。尺度名の正式名称は「自覚的な身体的負担度」で、資料によっては「自覚的な身体負担度」と呼んでいたりしますが、ここでは「身体的負担度」と呼んでいます。

こちらの説明の前提となる「3つの領域」と「19個の尺度」については、1番目の尺度「仕事の量的負担とは」で詳しく説明しています。よろしければご参照ください。

対応している質問

57問のうち、7問目の回答から「身体的負担度」の尺度を算出できます。

質問番号質問内容そうだまあ
そうだ
やや
ちがう
ちがう
7からだを大変よく使う仕事だ1234
「身体的負担度」に対応した質問

素点換算表

回答からストレスが高いか低いかを計算するには、厚生労働省の「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(ストレスチェックマニュアル)にある素点換算表を使います。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150507-1.pdf

計算方法

身体的負担度は、5からこの1問への回答に対応する値を引き、その点数を素点換算表に当てはめることで算出できます。例えば、「そうだ」と回答した場合は、5-1=4 となります。点数が4なので、素点換算表の一番右「ストレスが高い」に該当することがということがわかります。

身体的負担度に関しては、素点換算表での男性と女性で基準に違いはありません。

ストレスが低い
5段階評価 5
ストレスがやや低い
5段階評価 4
ストレスが普通
5段階評価 3
ストレスがやや高い
5段階評価 2
ストレスが高い
5段階評価 1
男性なし1234
女性なし1234
素点換算表「身体的負担度」

体を動かすのはストレスになるのか

デスクワークが基本の人からすると「少し体を動かしたほうが、むしろリフレッシュになってストレスが減る」と思うかもしれませんが、この質問にあるような「からだを大変よく使う仕事」というのは、そういったレベルのことではなく、肉体労働を基本とした職務を指しています。

また、体を動かす仕事には、危険な機械を扱う、高所で作業をする、重量のあるものを運ぶ、長時間の運転、人命に関わるような医療・介護・福祉など、一歩間違えば大変な事故になるようなものを含んでいます。そういった業務に従事している人は、自分の安全は、同僚の安全、顧客への安全に配慮しながらの業務遂行となることから、緊張していることも考えられます。そのため、肉体的負荷だけでなく、精神的負荷も生まれやすいと考えられます。

個人結果の身体的負担度が悪い場合

個人の身体的負担度が悪い場合、たとえば次のようなことをおすすめします。

  • 寝る前や朝起きたあとにストレッチをして、筋肉をほぐす。
  • 勤務時間外では緊張しないようにして、気持ちの切り替えをする。
  • こまめに休憩を取って、気を張り続けないようにする。
  • 自分に合ったリラックス方法をいくつか用意しておいて、そのときの気分で選んでみる。

集団分析の身体的負担度が悪い場合

集団分析で身体的負担度が悪い場合、会社としてできることを挙げてみます。

  • 肉体的負荷を低減・解消するツールを導入する
    (筋力サポート、ロボットなどを利用する)
  • 所定労働時間を減らす
    (会社の規定で8時間よりを短くすることも可能です)
  • 休憩時間を増やす
    (会社の規定で長くすることも可能です)
  • 休日を増やす
    (会社の規定で休日を増やすことも可能です)
  • ノー残業デーや消灯時間などを設け、残業ができないようにする

集団分析で身体的負担度が高い場合は、個人単位の改善では限界があるため、会社として積極的に職場環境改善に取り組む必要があります。