ストレスチェックの個人結果でセルフケア

ストレスチェック(職業性ストレス簡易調査票57問)は、大きく3つの観点から皆さんのストレスの溜まり具合を見ています。

  • 仕事のストレス要因
  • 心身のストレス反応
  • 周囲のサポート

ストレスチェックの個人結果を見る時、ストレスが溜まっているかどうかを見るだけになりがちですが、詳しく見てみると、そこには皆さんのストレスを減らすためのヒントがたくさん詰まっています。現状把握や結果の良し悪しだけではなく、これから皆さんがどうやってストレスと付き合っていくかのポイントを確認する材料になります。

「仕事のストレス要因」を知ることがストレス軽減への近道

「仕事のストレス要因」は、業務量や業務の難しさ、対人関係、職場環境など、業務からどれくらいストレスを受けているかを示す指標です。仕事の量的負担感、仕事のコントロールなどストレス要因の結果を眺めて、ご自身の仕事の状況と照らし合わせてみることをお奨めします。そうすると、業務や職場などから受ける様々なストレスを示していることがわかります。

  • 職場の対人関係は良いけれども、業務量が多すぎる
  • 自分のペースで仕事が続けられても、勤務地が遠くて通勤に時間がかかる
  • 今まで学んできたことが活かせているものの、慣れない業務が多い

どのような場面でストレスを感じているのかを理解しやすくなり、働き方や環境について振り返ることが期待できます。例えば、勤務地が遠い場合、通勤時間をどのようにして有意義に過ごすかを考えたり、慣れない業務を他の人はどのように行っているかを観察したり…ご自身で取り組める対策を発見することがストレス軽減に繋がるかもしれません。

「心身のストレス反応」を早めにキャッチしよう

「心身のストレス反応」は、ストレスが心や身体へどれくらい表れているかを示す指標です。活気があるか、気分の落ち込みがあるか、肩こりや疲れが取れないなど、ご自身のストレス状況が可視化されます。

イライラとした気分や状態が続いたり、不安感が強い、、次のようなストレス対処を実践することが大切です。

  • 上司、同僚、家族などの身近にいる人に気持ちを吐き出す
  • 社内で相談しにくい場合は、カウンセラーなどの外部相談窓口に相談する
  • ストレスが心身に出てきた場合には、周囲からアドバイスをもらう
  • 緊張が強いときは、ストレッチや呼吸法をおこなう
  • 疲労感が抜けないときは睡眠の質を上げるために、適度な運動や栄養バランスを考えた食事を摂取する

日頃の活動を見直すことが心身の調子を取り戻し、状態を悪化させないことに繋がります。これらの対処法を行っても状況が良くならない場合は、医療機関の受診を検討しましょう。

「周囲のサポート」がストレス軽減のカギとなる

全ての人がストレスを受けますが、全員が体調を崩したり、精神的に不調になるわけではありません。その理由の一つとして、その人がストレスを受けることを減らす緩衝要因があると考えられており、「周囲のサポート」はそれがどれくらいあるのかを示す指標です。

業務が忙しくても上司や同僚がサポートしてくれるか、仕事のストレスを吐き出す場所として家族や友人がいるかなど、ストレスを共有したり、軽減したりするための資源がどれくらいあるのかを理解することに役立ちます。プライベートで仕事のことから離れられる自分の時間や趣味の時間を持つことなど、仕事とプライベートのオンオフの大切さや、その人の仕事の大変さを理解してくれる人、支えてくれる人が身近にいることに気づき、話すことでストレスを軽減させることへと繋がります。

ストレスチェックはこれらの3つの視点から捉えることで、その人のストレスの量や質を理解し、対策することへと繋がっていきます。ぜひ、受検された際はご自身のストレスの量だけでなく、どのような事がストレスとなっているのか、昨年と比較して変化は無いか、ストレスを減らすためにはどのようなセルフケアが良いのかを検討し、皆さんの健康を維持することへ役立ててみてくださいね。