プレゼンティーイズムの問題を解決するには

前回の話で、プレゼンティーイズムの問題の大きさと、注意点について説明しました。
今回は組織ができる取り組みについて説明します。

労働力の維持のためのプレゼンティーイズム対策

今後、労働人口が減少することが明らかになっています。
総務省白書 令和4年版
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd121110.html

これまでのように新卒・中途採用活動を行っても、これまでどおり従業員が集まる保証はありません。そのため、同じ人数でも労働力を維持する、あるいは同じ人数でも労働力を増やす、という観点で、プレゼンディーズム対策を始めてみてもよいのではないでしょうか。

従業員の心身の健康を重視することで、パフォーマンスが維持・向上できるのであれば、プレゼンティーイズムの解決は人材を増やすことと同じような効果があると言えます。最終的には利益を保護することにもつながります。

組織に求められる施策

従業員が心身ともに健康でいられるようにするには、どのような施策を講じる必要があるでしょうか。

例えば、

・セルフケア研修の開催
・セルフケアツールの提供
・カウンセリングなどのメンタルヘルスサポート
・マッサージチェアなどの設置
・ストレスのかかる業務の改善
・事業場内に診療所を設けるなど、気軽に医療機関を受診できる環境の整備

などが挙げられます。

これらの施策を講じることで、従業員がプレゼンティーイズムに陥りにくくなり、パフォーマンスを向上させられるでしょう。従業員が心身ともに健康で働くことは、組織にとって、そして社会全体にとって利益になるという認識を持つべきです。

プレゼンティーイズムを把握するには

プレゼンティーイズムを把握・評価するためには、従業員に実際に何%の能力を発揮できているか自己申告してもらうことが重要です。ただし、昇給や昇進に支障をきたすことを恐れて、どんなに悪くても「100%」としか答えない従業員もいるかもしれません。そのような場合には、信頼できる外部のEAP機関に依頼することを検討してみてください。