前回、前々回は、プレゼンティーイズムの問題についてパフォーマンスの側面で解説してきました。今回は、
- ワーク・エンゲイジメント
- 従業員エンゲージメント
- ワークライフバランス
の側面から、プレゼンティーイズムの発生率について解説していきます。
ワーク・エンゲイジメントとプレゼンティーイズム
ワークエンゲージメント(Work Engagement)は、簡単にいうと従業員が感じる「働きがい」です。
ワークエンゲージメントが高い従業員は、自身の業務に対して積極的で、熱心で、成長を感じながら取り組みます。
従業員のワーク・エンゲイジメントが高いと、プレゼンティーイズムの発生率が低くなる傾向があります。
というのは、ワークエンゲージメントが高い従業員は、仕事に対する熱意や意欲が高いので、多少大変なことがあっても、それをストレスと感じず、成長の機会として捉えることができるからです。
従業員エンゲージメントとプレゼンティーイズム
従業員エンゲージメント(Employee Engagement)は、「組織の成果に貢献しようとする気持ち」です。
従業員が組織の目標や価値観に共感し、自らの能力やエネルギーを仕事に注ぎ込みます。忠誠心や責任感が強く、組織の成果や成長に能力を使うことを惜しみません。
従業員の従業員エンゲージメントが高いと、プレゼンティーイズムの発生率が低くなる傾向があります。
というのは、従業員エンゲージメントが高い従業員は、仕事でのストレスや不満が少ない傾向があります。また、組織への帰属意識や貢献感が高いことから、心理的な安定感が増し、ストレスや不安の軽減につながっていきます。さらに、連休の最終日など、明日から仕事だという日は会社に貢献するためにゆっくり休もうとするなど、自身の健康を重視した生活を送る傾向があります。
プレゼンティーイズムの発生率も低くなる
ワーク・エンゲイジメント、従業員エンゲージメントが高い従業員は、ストレス・不満・不安などからくるメンタルヘルス不調のリスクが低く、プレゼンティーイズムの発生率が低くなると考えられます。
ワークライフバランスとの関連性
組織全体でワーク・エンゲイジメント、従業員エンゲージメントが高い場合は、業務上の負荷が適切に分散・管理され、従業員がワークライフバランスを取りやすい環境が整備されている場合があります。
- 業務上の負荷が分散されている
- 私生活を犠牲にしなくても、仕事を完遂できる
- 有給休暇が取得しやすい
- リフレッシュ休暇などの制度がある
- フレックスタイム勤務ができる
- 週休3日制である
ワークライフバランスの高さから、ワーク・エンゲイジメント、従業員エンゲージメントの高さにつながり、従業員の心身の健康が維持されることで、プレゼンティーイズムの発生率が低くなっていくことも考えられます。