ストレスチェックの種類
ストレスチェックとは「心の健康診断」です。ストレスチェックにはいくつかの種類があります。
一般的には「職業性ストレス簡易調査票57問」が法制化対応の標準のものとなっています。現在も57問でストレスチェックをしている会社は多いですが、途中から「新職業性ストレス簡易調査票80問」に切り替えた会社も少なくありません。
また、独自の質問項目を追加し、生活習慣や睡眠、抑うつ度(こころの健康度)に関しても調査できる「メンタルヘルス&ライフスタイル調査票」など、標準的なものよりも詳しく労働者の状況を把握できるストレスチェックもあります。
EAPの各社でどのような独自のストレスチェックがあるのか調べてみてはいかがでしょうか。注意していただきたいのは、法制化対応のストレスチェックを行うには「職業性ストレス簡易調査票57問」を含んでいなければなりません。
57問と80問の違い
会社のストレスチェックとして採用されることが多い57問と80問ですが、その違いについて解説します。
57問では「仕事のストレス要因(9項目)」、「ストレス反応(6項目)」、「ストレスを緩和する緩衝要因(4項目)」の19項目から構成されており、労働者のストレス状態の把握をメインとしています。
80問は、これら19項目に加えて「ワークエンゲイジメント」、「ハラスメント」などより詳細な42項目の結果を得られます。ストレス状態の把握に加えて、従業員が組織に対してどのように感じているかを把握できるものとなっています。
57問から80問に切り替えることで、「受検時間が5~10分増える」、「増えた23問分の質問は個人結果には関係しない」というデメリットがありますが、増える23問はかなり踏み込んだ質問となっているため、会社としては得られるものが大きく、そこにメリットを感じていただけるのではないでしょうか。
80問で増える質問23問は次のとおりです。
58. 感情面で負担になる仕事だ
59. 複数の人からお互いに矛盾したことを要求される
60. 自分の職務や責任が何であるか分かっている
61. 仕事で自分の長所をのばす機会がある
62. 自分の仕事に見合う給料やボーナスをもらっている
63. 私は上司からふさわしい評価を受けている
64. 職を失う恐れがある
65. 上司は、部下が能力を伸ばす機会を持てるように、取り計らってくれる
66. 上司は誠実な態度で対応してくれる
67. 努力して仕事をすれば、ほめてもらえる
68. 失敗しても挽回(ばんかい)するチャンスがある職場だ
69. 経営層からの情報は信頼できる
70. 職場や仕事で変化があるときには、従業員の意見が聞かれている
71. 一人ひとりの価値観を大事にしてくれる職場だ
72. 人事評価の結果について十分な説明がなされている
73. 職場では、(正規、非正規、アルバイトなど)いろいろな立場の人が職場の一員として尊重されている
74. 意欲を引き出したり、キャリアに役立つ教育が行われている
75. 仕事のことを考えているため自分の生活を充実させられない
76. 仕事でエネルギーをもらうことで、自分の生活がさらに充実している
77. 職場で自分がいじめにあっている (セクハラ、パワハラを含む)—- 1 2 3 4
78. 私たちの職場では、お互いに理解し認め合っている
79. 仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる
80. 自分の仕事に誇りを感じる
職場環境改善に80問の集団分析を活用した結果
「新職業性ストレス簡易調査票80問」の集団分析結果をもとに、職場環境改善に取り組んだ企業の担当者様や従業員の方からは、次のようなお声をいただいております。
- どの課題に集中して改善すればいいかを考える重要な判断材料になった。分析結果を参考に、従業員同士で言葉がけを増やしたり、職場の雰囲気を変化させたりしたことが効果的な改善につながった。
- 従業員が職場環境(物理的)においてどれくらいストレスを感じているのか、どのような改善を求めているのか理解できた。改善に取り組んだことで従業員の安心感が増したように感じる。
- 数年に渡ってストレスチェックを実施し、周囲のサポート不足が課題として明確になり、従業員の面談を増やすなどの対策を継続して行ったことから休職者の数も減少傾向に転じた。
新職業性ストレス簡易調査票80問をおすすめします
ここ数年で社会情勢が大きく変化したことから、仕事以外でのストレスも増えています。
従業員のストレスを把握し、従業員が効果を実感できる職場環境改善を図るために、ストレスチェックの集団分析は非常に有用です。中でも、より詳しくストレスを把握できる80問が最近では人気となっています。
「毎年57問でやり尽くした感じがする」、「新しい切り口で集団分析・職場環境改善をしてみたい」という方はストレスチェックを「新職業性ストレス簡易調査票80問」に切り替えてみてがいかがでしょうか。